はじめに:エージェント用READMEはなぜ「際限なく」育ち続けるのか
Claude CodeやCodex CLIを日常的に使っていると、こんな経験はないだろうか。最初は数行だったCLAUDE.mdやAGENTS.mdに、いつの間にか「こうしてほしい」「これはやらないで」という命令が積み上がり、誰も整理できなくなっている。1回1回の追加は小さくて気にならないのに、気づいたときにはファイル全体が膨れ上がり、何が本当に必要なのか見通せない。本記事は、この「エージェント用READMEの肥大化」に正面から向き合った研究を紹介する。
扱うのは、Kushal Chakrabarti氏による論文「Why Does CLAUDE.md Keep Growing? Catastrophic Remembering in Agentic Coding」だ。この論文は、1,867のGitHubリポジトリと約25万件の命令の履歴をコミット単位で追跡し、エージェント用READMEがなぜ止まらず育ち続けるかをデータと理論の両面から解き明かしている。
結論を先に述べると、問題の本質は「命令を追加するのは安いが、