国勢調査で人口317万人減は過去最大 外国人最多384万人、増加は東京のみ

総務省が2026年9月29日に公表した2025年国勢調査の確定値で、日本の総人口は1億2297万人、5年間で317万人減と過去最大。外国人は384万人で過去最多、人口が増えたのは東京都だけです。

総務省は2026年9月29日、2025年10月1日時点で実施した国勢調査の確定値(人口等基本集計)を公表しました。日本の総人口は1億2297万2528人。5年前の前回調査から317万3571人(2.5%)減少し、減少幅は比較可能な調査の中で過去最大となりました。人口減少は3回連続です。

同時に、外国人住民は384万39人と過去最多を更新しました。日本人に限れば426万人超の減少で、その減少を外国人の増加(約109万人)が一部補っている構図です。都道府県別で人口が増えたのは東京都だけ。国勢調査の確定値は、日本社会が「縮小」と「多様化」と「集中」を同時に進めている現実を、あらためて数字で示しました。

この記事では、今回の国勢調査の主要な数字を整理し、その背景と、地域・暮らし・社会保障への影響を多角的に見ていきます。

要点まとめ

  • 総人口: 1億2297万2528人(2025年10月1日時点)。5年間で317万3571人減、減少率2.5%はいずれも過去最大
  • 日本人: 1億1913万1935人(総人口の96.9%)。5年間で426万6973人減
  • 外国人: 384万39人(同3.1%)で過去最多。5年間で109万3525人増。国籍別では中国24.0%、ベトナム15.9%、韓国・朝鮮10.4%
  • 地域: 人口が増えたのは東京都のみ。46道府県で減少し、埼玉・千葉・神奈川・愛知・滋賀・福岡・沖縄の7県が増加から減少に転じた
  • 世帯: 5月の速報値では世帯数は5712万世帯で過去最多、1世帯あたり人員は2.15人で過去最少

国勢調査とは――5年に一度の「国の全数調査」

国勢調査は、日本に住むすべての人と世帯を対象に5年ごとに行われる、国の最も基本的な統計調査です。1920年(大正9年)に始まり、2025年の調査で22回目にあたります。外国籍の人も含め、10月1日時点で国内に3カ月以上住んでいる(または住む予定の)人が対象になります。

調査結果は、衆議院の小選挙区の区割り、地方交付税の配分、各種の行政計画、将来人口推計など、社会のさまざまな「ものさし」の土台になります。毎月公表される「人口推計」も、国勢調査の結果を基準に作られています。つまり国勢調査は、日本社会の設計図を5年ごとに描き直す作業だといえます。

今回の2025年調査は、2026年5月29日に「人口速報集計」が公表され、9月29日に確定値にあたる「人口等基本集計」が公表されました。速報値では総人口は1億2304万人(309万人減)とされていましたが、確定値では1億2297万人(317万人減)へと下方修正されています。

詳細①:減少幅「過去最大」の中身――日本人の減少を外国人が埋める構図

人口減少そのものは、すでに2015年調査から続いている現象です。しかし減少のペースは明らかに加速しています。前回2020年調査の減少率は0.7%でしたが、今回は2.5%と、3倍以上に拡大しました。

内訳を見ると、構図がよりはっきりします。

区分 2025年人口 5年間の増減
総人口 1億2297万2528人 ▲317万3571人
日本人 1億1913万1935人 ▲426万6973人
外国人 384万39人 +109万3525人

日本人の減少は5年間で約427万人。これは、中規模の県を2〜3つ合わせた規模の人口が消えたのに等しい数字です。主な原因は、出生数の減少と、高齢化にともなう死亡数の増加が重なった「自然減」です。

一方、外国人は約109万人増えて、総人口に占める割合は3.1%になりました。国籍別では中国(24.0%)、ベトナム(15.9%)、韓国・朝鮮(10.4%)が上位を占めます。技能実習や特定技能、留学などを通じた受け入れの拡大が背景にあり、外国人の増加がなければ、人口減少はさらに大きかったことになります。

高齢化も進んでいます。国勢調査とは別の統計ですが、令和8年版高齢社会白書では2025年10月1日時点の高齢化率(65歳以上の割合)は29.4%で過去最高でした。総務省が敬老の日に合わせて公表した推計では、2026年9月時点で29.6%に達しています。厚生労働省のまとめでは、100歳以上の高齢者も10万7000人余りと、初めて10万人を超えました。

詳細②:増えたのは東京だけ――地方の急減と「東京圏」の変化

地域別に見ると、人口減少の偏りが鮮明です。確定値では、5年前と比べて人口が増えたのは東京都だけで、残る46道府県はすべて減少しました。さらに、前回は増加していた埼玉・千葉・神奈川・愛知・滋賀・福岡・沖縄の7県が、今回は減少に転じています。5月の速報値の段階では沖縄県がわずかに増加(+0.1%)としていましたが、確定値では沖縄も減少側に入りました。

速報値ベースで減少率が大きかったのは、秋田県(▲8.1%)、青森県(▲7.9%)、岩手県・山形県・高知県(各▲7.0%)でした。東北地方や四国を中心に、5年で1割近く人口が減る県が出てきています。

一方、東京都の人口は速報値で1424万6000人と、全国の11.6%を占めます。東京・神奈川・埼玉・千葉の「東京圏」は約3699万人で、全国の3割(30.1%)が集まっています。ただし注目すべきは、東京圏の周辺3県がそろって減少に転じたことです。東京都の増加も、実質的には23区が牽引しているとされ、人口の集中は「東京圏」から「都心部」へとさらに絞り込まれつつあります。

これは、郊外のベッドタウンで高齢化と自然減が進む一方、若い世代や単身者が職住近接を求めて都心に集まっている動きを反映していると考えられます。

詳細③:人は減っても世帯は増える――「小さな世帯」の時代

人口が減る一方で、世帯数は増え続けています。5月の速報値では、世帯数は5712万4000世帯で過去最多となり、5年前から2.3%増えました。1世帯あたりの人員は2.26人から2.15人に下がり、比較可能な1970年以降で最少です。東京都では1.88人と、2人を下回っています。

世帯が細分化する背景には、次のような変化があります。

  • 未婚率の上昇や晩婚化による若い単身世帯の増加
  • 配偶者と死別・離別した高齢の単身世帯の増加
  • 子どもが独立したあとの夫婦のみ世帯の増加

世帯が小さくなると、住宅やサービスの需要のかたちも変わります。ワンルームや小型住宅の需要、見守りサービス、ひとり分の食品・日用品などの市場は広がる一方、家族内で担ってきた介護や子育ての支え合いは弱まりやすくなります。9月29日公表の基本集計では高齢者世帯やひとり親世帯の詳しい集計も含まれており、今後、各分野での分析が進むとみられます。

影響・今後:選挙区、社会保障、共生政策への波及

今回の国勢調査の結果は、いくつかの分野に具体的な影響を及ぼします。

1. 政治・選挙区 国勢調査の人口は、衆議院小選挙区の区割り見直しの基準になります。人口が東京に集中し地方で急減する状況が続けば、「一票の格差」を是正するための定数配分の見直し(地方の議席減・都市部の議席増)が再び議論になる可能性があります。

2. 社会保障と労働力 日本人人口が5年で427万人減る一方、高齢化率は3割に迫っています。年金・医療・介護を支える現役世代が細るなかで、制度の持続性や、働き手の確保は一段と重い課題になります。人手不足が深刻な介護・建設・物流・農業などでは、外国人労働者への依存がさらに高まるとみられます。

3. 外国人との共生 外国人住民が総人口の3%を超えたことで、日本語教育、子どもの就学支援、医療・行政の多言語対応、地域での生活ルールの共有など、「受け入れたあと」の共生施策の重要性が増しています。外国人の増加が人口減少を和らげている現実を踏まえ、どのような社会を目指すのかという議論は避けて通れません。

4. 地方の行政サービスとインフラ 5年で1割近く人口が減る地域では、公共交通、医療機関、学校、水道などのインフラを今の規模で維持することが難しくなります。施設の統廃合や広域連携、コンパクトなまちづくりといった選択が、より現実的なテーマになっていきます。

今後は、年齢構成や就業状況などを詳しく集計した結果が順次公表される予定です。国勢調査を基準とした将来人口推計も見直されることになり、人口減少の「次の5年」をどう見通すかが焦点になります。

よくある質問

2025年国勢調査で日本の人口は何人だったのか

2025年10月1日時点の日本の総人口は1億2297万2528人でした。総務省が2026年9月29日に確定値として公表したもので、5年前の2020年調査から317万3571人(2.5%)減少し、減少幅・減少率ともに過去最大となりました。

日本に住む外国人は何人に増えたのか

2025年国勢調査では、外国人住民は384万39人で過去最多となりました。5年間で約109万人増え、総人口に占める割合は3.1%です。国籍別では中国、ベトナム、韓国・朝鮮の順に多くなっています。

人口が増えた都道府県はどこか

2025年国勢調査の確定値で、5年前より人口が増えたのは東京都だけです。残る46道府県はすべて減少し、前回は増加していた埼玉・千葉・神奈川・愛知・滋賀・福岡・沖縄の7県も減少に転じました。

人口が減っているのに世帯数が増えているのはなぜか

一人暮らしや夫婦のみの小さな世帯が増えているためです。2025年国勢調査の速報値では世帯数は5712万世帯で過去最多となった一方、1世帯あたり人員は2.15人と過去最少になりました。未婚化や高齢の単身世帯の増加が背景にあります。

国勢調査の結果は何に使われるのか

国勢調査の人口は、衆議院小選挙区の区割り、地方交付税の配分、将来人口推計、各種の行政計画などの基礎データとして使われます。毎月公表される人口推計も国勢調査を基準に作られています。

まとめ

2025年国勢調査の確定値は、日本の人口が5年で317万人減るという過去最大の縮小を示しました。日本人は約427万人減り、その一部を過去最多となった外国人384万人が補う形です。人口が増えたのは東京都だけで、東京圏の周辺県まで減少に転じるなど、集中は都心部へとさらに絞り込まれています。世帯は小さく、数は多くなりました。

人口減少はもはや将来予測ではなく、5年ごとの実測値として目の前にあります。選挙区や社会保障、外国人との共生、地方のインフラまで、今回の数字を前提にした制度の組み直しが、これからの大きな論点になりそうです。

参考ソース

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