はじめに──「コードを書かない」ことが賞賛される時代が来た
2025年2月、OpenAIの共同創業者で元TeslaのAI責任者であるAndrej Karpathyが、ある言葉をX(旧Twitter)に投稿した。「Vibe Coding」──日本語で「バイブコーディング」。
その定義は衝撃的だった。「厳密な構文を人間が書くのではなく、AIに意図や感覚(バイブス)を伝え、対話を通じてシステムを組み上げる」。つまり、「コードを書く」のではなく「コードを依頼する」。プログラミングの主役が、キーボードからプロンプトに移る世界観だ。
それからわずか1年余り。この言葉はWikipediaに掲載され、Fortune 500企業の87%が少なくとも1つのバイブコーディングツールを導入するに至った。Google、Microsoft、Metaがしのぎを削り、市場は2030年までに222億ドルに達すると予測されている。
果たして、「コードを書かないエンジニア」は幻想なのか、それとも現実なのか。 本稿では、最新のデータと企業の動向から、この問いに正面から向き合う。
バイブコーディングとは何か──用語