はじめに:ベクトルデータベースが分からないとRAG構築ができない理由
「RAGを構築したい――そう調べたページの先で、必ず『ベクトルデータベース』という言葉に出くわす」。AIアプリ開発を始めたばかりのエンジニアや、技術選定を任されたアーキテクトなら、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。
ベクトルデータベース(ベクトルDB)は、RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)において、社内文書やWebページといった外部知識を「意味の近さ」で検索できる形に変換して貯めておく、いわばAIの記憶装置です。AWSの解説でも、RAGは外部データを埋め込みモデルで数値表現に変換してベクトルデータベースに保存し、質問時にはその類似度で関連情報を引き出す仕組みとして説明されています。ベクトル検索を前提とするRAG構築では、この部分の理解が全体像を把握する鍵になります。
ところが、いざ学ぼうとすると2つの壁が立ちはだかります。1つ目は、埋め込みや類似度検索といった基礎概念の解説が断片的で、全体像が掴みにくいこと。2つ目は、Qdrant・pgvector