国際情勢

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国際・地政学

ホルムズ海峡封鎖107日間が暴いた日本のエネルギー安全保障の弱点——代替調達・戦略備蓄・多角化の行方

はじめに——107日間の「綱渡り」が浮き彫りにした日本の脆弱性 2026年2月28日、米国とイスラエルによるイラン攻撃「エピック・フューリー作戦」が発動された。イランの最高指導者アリー・ハーメネイーが死亡したこの攻撃は、中東全域を戦火に包み込むだけでなく、世界のエネルギー供給に壊滅的な打撃を与える引き金となった。イランは即座にホルムズ海峡の海上封鎖を宣言——世界の海上原油貿易の約20%が通過する「エネルギーの動脈」が、突如として遮断されたのである。 原油の9割超を中東に依存する日本にとって、これは単なる地政学上のニュースではない。ガソリン価格の急騰、代替調達先の必死の開拓、国家備蓄の史上2回目となる放出——107日間にわたるこの危機は、日本のエネルギー安全保障がいかに脆い土台の上に成り立っているかを、残酷なまでに露呈させた。 危機の全容——タイムラインで見る107日間 この危機は、単一の出来事ではなく、波状攻撃のように段階的に深刻化していった。以下のタイムラインが示す通り、封鎖宣言から暫定合意に至るまで、事態は何度も好転と悪化を繰り返した。 timeline tit
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国際・地政学

NATOアンカラ首脳会議2026が描く世界の新たな安全保障体制——欧州の自立化とウクライナ支援の行方

はじめに — 世界の安全保障の地殻変動が起きた場所 2026年7月7日から8日、トルコの首都アンカラでNATO首脳会議が開催された。冷戦終結後、おそらく最大の構造的転換点となる決定が次々と発表された。 会議の背景には、NATO史上最も深刻な危機があった。トランプ政権下のアメリカ合衆国だ。2026年4月、トランプ大統領は「NATO離脱を強く検討している」と公言した。3月にはペンタゴンが集団的防衛(Article 5)の再確認を拒否し、5月には在独米軍5000名の撤退命令が発出された。アメリカ——NATOの創設メンバーであり、最大の軍事力を担う国家——が、自らが作った同盟体制から離れようとしている。この事態は、欧州各国の首都に衝撃を走らせた。 他方、会議の最も重い議題はウクライナだった。ウラジミール・ゼレンスキー大統領がアンカラに赴いたその直前——7月6日——、ロシアは29発の弾道ミサイルと極超音速兵器をウクライナに向けて発射した。ウクライナ側のPAC-3迎撃弾は在庫枯渇に陥り、迎撃は不可能だった。そして会議初日の議論が続く最中、宣言文の文言が調整されているまさにその7月9日、キーウ
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国際・地政学

ホルムズ海峡危機と原油価格急騰:世界経済と私たちの生活への影響

ホルムズ海峡危機と原油価格急騰:世界経済と私たちの生活への影響 はじめに — なぜ遠い海峡のニュースがあなたの財布に関わるのか 2026年7月14日、ニューヨーク原油先物相場(WTI)が前日比9.2%高の1バレル77.98ドルに急騰しました。同日にブレント原油も9.6%高の83.29ドルを記録。わずか1日で原油価格が約1割も跳ね上がったのです。 原因は、中東・ペルシャ湾のわずか幅33kmの海峡——ホルムズ海峡をめぐる危機が再燃したことでした。トランプ米大統領が7月13日にイラン港湾への封鎖再開を発表し、通航船舶に20%の「安全確保の対価」を要求。米軍のイラン施設攻撃とイランの報復攻撃が始まり、世界のエネルギー供給の大動脈が再び危機に晒されています。 あなたの生活に、もう影響は始まっている 「中東の紛争なんて遠い話」——そう思うかもしれません。しかし、この危機の波はすでに日本の日常生活に押し寄せています。 * ガソリン代:3月の危機初動時、レギュラーガソリンは158.5円から190.8円へ約1ヶ月で32円も急騰しました。政府の補助金でいったん169.7円まで下がりました
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