はじめに — 真夏の午後に再び熊本が揺れた
2026年7月28日、火照りゆく午後4時27分。
その瞬間、熊本の人々の日常は再び大地に引きずり下ろされた。
マグニチュード7.1——震源の深さわずか16km。地下から地表へと叩きつけられるような暴力的な揺れが、熊本県中央部を支配した。宇城市と氷川町では震度7。家具が倒れ、壁が崩れ、地面が波打つその数秒間を、多くの人々が「またか」という恐怖とともに耐え凌いだ。
熊本で震度7——これは3度目の出来事だった。
2016年4月、益城町と西原村を震度7が襲った(前震M6.5、本震M7.3)。そして2026年7月、同じ熊本県内で再び震度7。同一の地域で震度7が3度観測されることは、日本の観測史上、かつてないことである。
だが、今回は「3度目」という前例のなさだけが問題ではない。真夏だということが、事態を根本から変えている。
7月末の熊本は、日中の気温が35℃を超える酷暑の真っただ中にある。地震が発生した午後4時27分は、まだ暑さがピークを過ぎきらない時間帯だった。揺れが収まった直後から、人々は瓦礫の下の救助と並行して、もう一つの敵——熱中