はじめに——AIが他人の顔を自由に使える時代の終わり
2026年4月、YouTubeが画期的な発表を行った。類似性検出(Likeness Detection)技術の利用対象を、エンターテインメント業界全体に拡大したのだ。俳優、アスリート、クリエイター、ミュージシャン——YouTubeチャンネルの有無に関わらず、誰もが自身の顔や声がAIによって不正利用されていないかを検知し、削除を依頼できるようになった。
AI生成技術の爆発的進化により、ディープフェイク(偽の画像や動画をAIで生成する技術)は誰もが簡単に作れるツールへと変貌した。他人の顔を使ったフェイク動画が拡散され、名誉毀損や詐欺、スキャンダルの温床となっている。この状況に対し、世界最大の動画プラットフォームが本格的な盾を構え始めた意義は極めて大きい。
本記事では、YouTubeの類似性検出技術の全容、ディープフェイクをめぐる社会課題、そしてAI時代における肖像権保護の未来を解説する。
ディープフェイク問題の現状——Sora 2以降の激変
ディープフェイクをめぐる状況は、2025年秋を境に劇的に悪化した。
2025年9月