はじめに — なぜ今LoRaWANなのか
自宅のIoTネットワークを構築しようとしたとき、あなたはどんな壁にぶつかるだろうか。
庭の土壌水分センサーはWi-Fiが届かない。地下室の温湿度モニターは電波が弱すぎる。離れの倉庫に置いたセンサーは、セルラー回線なら届くが月額料金がかさむ。そして何より、せっかく集めたセンサーデータがクラウド業者のサーバーに依存している――ハードウェアを自分で買っているのに、データの主権すら手元にない。
これは、Home Labを運用する多くのエンジニアが直面する現実だ。
クラウド依存でもなく、セルラーの高額な料金でもなく
IoTの世界では長らく、Wi-FiとBluetoothが身近な選択肢だった。しかしWi-Fiは数十メートルが限界で、消費電力も大きい。Bluetooth LEは省電力だが、通信距離はさらに短い。一方、セルラー(LTE-MやNB-IoT)は長距離をカバーできるものの、キャリアの通信網に依存し、月額料金が発生する。センサー1台あたり数百円/月でも、数十台並べれば無視できないコストになる。
**LoRaWAN(Long Range W