はじめに — 6000人を超える死者が映す「自然災害」と「人災」の境界
2026年6月24日、南米ベネズエラを巨大地震が襲った。首都カラカスから西約200キロのサンフェリペ近くを震源とするマグニチュード7.2の地震が発生したわずか39秒後、さらに近接する場所でM7.5の第二の地震が発生した。1900年以来1世紀以上ぶりにこの地域を襲った巨大地震は、ベネズエラ社会に壊滅的な被害をもたらした。
死者数の推移を見れば、この災害の特異性が浮かび上がる。発災翌日の6月25日、死者は32人と報告された。それが6月28日には1,430人、7月1日には2,200人を超え、7月22日には5,398人に達した。そして8月3日、ベネズエラ政府は死者が6,000人を超えたと発表した。負傷者は16,740人、2万3,000人以上が今も仮設テントで避難生活を強いられている。
しかし、ベネズエラ政府は行方不明者の数を公表していない。野党が開設した行方不明者追跡サイトには5万人近くの名前が登録されており、被害の全容は未だにつかめないままだ。
なぜ、これほどまでに被害が拡大したのか。
答えの一端は、ベネズエラ