2026年4月、暮らしが大きく変わる——共同親権・高校無償化・値上げラッシュ、新年度の制度改正を総まとめ

2026年4月1日、新年度の幕開けとともに、私たちの暮らしに直結する数々の制度変更と価格改定が一斉にスタートした。明治民法以来初となる「共同親権」の導入、所得制限を撤廃した高校授業料の無償化拡充、そして2,798品目に及ぶ食品値上げ——。家計にも家族のあり方にも大きな影響を与える今回の変化を、多角的に整理する。

共同親権がついにスタート——127年ぶりの親権制度の転換

改正民法が4月1日に施行され、離婚後も父母の双方が親権を持つ「共同親権」が選択可能になった。1898年の明治民法施行以来、日本では離婚後は単独親権のみが認められてきたが、約127年ぶりにその原則が変わることになる。

新制度では、離婚時に父母が話し合い、共同親権か単独親権かを選べる。すでに離婚して単独親権となっているケースでも、家庭裁判所に変更を申し立てることが可能だ。また、養育費について離婚時の取り決めがなくても請求できる「法定養育費」制度も同時に始まった。

一方で、DV(家庭内暴力)被害者からは強い懸念の声が上がっている。「DVや虐待がある場合は共同親権を認めない」とされているものの、実際にDVを見抜けるのかという問題は深刻だ。学校や病院の現場では、両親の同意が必要な場面での混乱も予想されている。家庭裁判所の調査官不足も指摘されており、全司法労働組合は100人単位の増員が必要と訴えているが、最高裁が求めているのは10人の増員にとどまる。

共同親権の定着を期待する当事者がいる一方、「加害者による支配・コントロールが続く恐れがある」として施行前日には東京・新宿で緊急アクションが行われるなど、賛否は鋭く分かれている。

高校無償化が全世帯に拡大——所得制限撤廃の意義と課題

教育分野では、高等学校等就学支援金制度が大きく拡充された。4月から所得制限が撤廃され、世帯年収にかかわらずすべての高校生がいる世帯が支援の対象となる。支給額は公立高校で年間最大11万8,800円、私立高校で年間最大45万7,200円だ。

これまで世帯年収約910万円以上の家庭は支援対象外だったため、今回の拡充は多くの家庭にとって朗報といえる。文部科学省の試算では、公立小学生1人と私立高校生1人がいる家庭の場合、年間約50万円の負担減になるケースもあるという。

ただし「無償化」という言葉には注意が必要だ。支援対象はあくまで授業料であり、施設費や教材費、修学旅行費などは含まれない。私立高校では授業料以外の費用が年間数十万円に達することも珍しくなく、「無償化だから私立でも大丈夫」と安易に考えると、想定外の出費に直面する可能性がある。

なお、公立小学校の給食無償化も同時にスタートし、子育て世代への支援は一定の前進を見せた。一方で、これらの財源として新たに「子ども・子育て支援金」制度が始まり、医療保険料に上乗せして徴収される。子育て世帯以外の負担増を懸念する声もある。

「130万円の壁」緩和と在職老齢年金の見直し——働き方のルールも変わる

社会保険に関する制度変更も注目される。会社員の扶養に入るパートタイム労働者の年収が130万円を超えると社会保険料の負担が生じる、いわゆる「130万円の壁」が緩和される。これにより、壁を意識して就業時間を抑える「就業調整」の解消が期待されている。

また、働く高齢者の厚生年金を減額する「在職老齢年金制度」も見直され、年金が満額支給される基準額が引き上げられた。高齢者がより柔軟に働き続けられる環境づくりが進む。

雇用保険料率の変更も行われ、労使双方の負担割合が調整された。人手不足が深刻化する中、働く人のインセンティブをどう設計するかが、今後も政策の焦点となりそうだ。

食品2,798品目の値上げ——家計を直撃する物価高

暮らしへの最も直接的な打撃となるのが、食品・日用品の値上げラッシュだ。帝国データバンクの調査によると、4月に値上げされる食品は2,798品目に達し、2026年初の大規模な値上げとなった。平均値上げ率は約15%。原材料高が値上げ要因の99.8%を占め、これは2023年の集計開始以降で最高の数値だ。

さらに、エネルギーコストの上昇も深刻だ。政府が2026年1〜3月まで実施していた電気・ガス料金の補助金が終了したため、4月以降は光熱費の実質負担が増加する。中東情勢の悪化による原油価格の高騰も重なり、6月以降はさらなる値上げの可能性も指摘されている。

たばこも82銘柄が値上げされ、国民年金保険料は月額410円引き上げとなった。家計防衛の観点からは、固定費の見直しや電力・ガス会社の比較検討、家計簿アプリによる支出の可視化など、早めの対策が求められる。

自転車の「青切符」導入——交通ルールの厳格化

改正道路交通法の施行により、自転車の交通違反に対して反則金を課す「青切符」制度がスタートした。スマートフォンを使いながらの運転など、これまで注意喚勇にとどまっていた違反にも取り締まりが強化される。自転車利用者にとっては、交通ルールの遵守がこれまで以上に求められることになる。

まとめ——新年度は「変化」への備えが鍵

2026年4月は、家族制度・教育・社会保険・物価・交通ルールと、あらゆる面で暮らしのルールが書き換わる節目の月となった。共同親権や高校無償化といった制度の前進がある一方、値上げラッシュや支援金の新たな負担など、プラスとマイナスが混在している。

重要なのは、変化の内容を正確に理解し、自分や家族にとってどのような影響があるかを早めに把握することだ。制度を活用できるものは積極的に活用し、家計への影響には先手を打って対策を講じたい。新年度のスタートを、前向きな「変化」の機会として捉えていきたい。


参考ソース:

  • 朝日新聞「4月から暮らし・身近な制度こう変わる」(2026年4月1日)
  • 朝日新聞「4月から共同親権スタート DVや虐待あれば不可」(2026年3月30日)
  • 時事通信「共同親権制度、4月からスタート 家裁の役割拡大」(2026年3月29日)
  • 産経新聞「4月からこう変わる 防衛力強化、共同親権、私立高校無償化」(2026年3月30日)
  • 帝国データバンク「2026年4月の食品値上げ、2798品目」(2026年3月)
  • Yahoo!ニュース「4月から変わるお金の新制度」(2026年3月)
  • 朝日新聞「高校無償化拡大と中学35人学級、4月からスタート」(2026年3月31日)

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