2026年の夏を生き抜く:「酷暑日」という新たな脅威と熱中症対策の完全ガイド
2026年4月17日、気象庁は重大な決定を下した。最高気温40℃以上の日に「酷暑日(こくしょび)」という正式な予報用語を新設したのである。
これは単なる名称の追加ではない。私たちの常識が書き換えられた瞬間だった。
2025年7月、群馬県伊勢崎市で国内観測史上最高となる41.8℃を記録した。同年、全国914地点のうち延べ30地点で40℃以上を観測——これは過去最多の記録である。かつて「猛暑日(最高気温35℃以上)」という言葉で表現されていた暑さの危険性は、すでにその枠を超えていた。
「猛暑日」だけでは伝えきれない危険。それが「酷暑日」という新しいカテゴリーを生んだ。
そして2026年の夏。気象庁は全国的に平年より気温が高くなると予想している。ウェザーニューズは7月下旬から8月上旬に「ダブル高気圧」が発生し、酷暑日が現れる可能性を指摘する。私たちは、かつてない暑さに直面しようとしている。
この記事では、酷暑日とは何か、なぜ生まれたのか、そして2026年の夏をどう生き抜くべきかを徹底解説する。熱中症の基礎知識から、WBGT(暑さ指数)の活用、シーン別の具体的対策まで——あなたとあなたの家族の命を守るための実践ガイドだ。
これを読めば、酷暑日が示す危険と、それにどう備えるべきかが明確にわかるはずだ。
「酷暑日」とは何か? — 気象庁が新設した新たな脅威
酷暑日の定義
「酷暑日(こくしょび)」とは、最高気温が40℃以上の日を指す気象用語である。2026年4月17日、気象庁が正式に予報用語として採用した。
人間の体温(約36〜37℃)を上回る気温。それは単に「暑い」というレベルを通り越した、生命に直接的な危険を及ぼす環境を意味する。
気温の呼称一覧
現在、気象庁が定める気温の呼称は以下の4段階となっている。
| 呼称 | 最高気温 | どんな日? |
|---|---|---|
| 夏日(なつび) | 25℃以上 | クーラーなしでも過ごせる暑さ |
| 真夏日(まなつび) | 30℃以上 | 本格的に暑い日 |
| 猛暑日(もうしょび) | 35℃以上 | 危険な暑さ・熱中症警戒 |
| 酷暑日(こくしょび) | 40℃以上 | 命の危険・外出厳禁レベル |
2007年に猛暑日が制定されてから19年。ついにその上のカテゴリーが必要になった。
なぜ新しい名称が必要だったのか
2018年以降、日本では毎年40℃以上を観測する地点が出現している。特に2025年は観測史上最高の41.8℃(群馬県伊勢崎市)を記録し、過去最多の延べ30地点で40℃以上を観測した。
猛暑日(35℃以上)と酷暑日(40℃以上)では、熱中症のリスクが段違いだ。しかし、これまで40℃以上には専用の呼び名がなく、どちらも「猛暑日」として扱われていた。気象庁は、危険度の違いを明確に伝えるために新たな予報用語を導入したのである。
気象庁の担当者はこう期待を込めた。
「酷暑日という言葉を受け取ることで、(暑さに対する)行動が必要と感じてもらえるようになるといい」
アンケート経緯:47万8千票で選ばれた「酷暑日」
新名称の決定にあたり、気象庁は2026年2〜3月に一般向けアンケートを実施した。約47万8千票という圧倒的な回答数が集まった。
結果は以下の通り:
| 順位 | 候補名 | 票数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 酷暑日 | 約20.2万票 | 42.3% |
| 2位 | 超猛暑日 | 約6.5万票 | 13.6% |
| 3位 | 極暑日 | 約2.5万票 | 5.2% |
| 4位 | 炎暑日 | 約2.2万票 | 4.6% |
自由記述欄には「サウナ日」「自宅待機日」などユニークな案も多数寄せられたという。
日本気象協会の先駆的取り組み
実は、「酷暑日」という言葉は気象庁が初めてではない。日本気象協会が2022年に気象予報士130名へのアンケート結果をもとに独自に命名し、熱中症リスクが極めて高い日を伝えるために使い続けていた。
今回の気象庁の正式採用により、官民で用語が統一され、社会全体での注意喚起がより効果的になった。
2026年夏の暑さ予想 — ダブル高気圧の脅威
気象庁の見通し:全国的に平年より高い
気象庁が発表した2026年夏(6月〜8月)の天候見通しによると、気温は全国的に平年より高い確率が50%以上と予想されている。2025年に観測史上最高の41.8℃を記録した歴史的酷暑に匹敵、あるいは上回る厳しい暑さになる可能性がある。
ウェザーニューズ「猛暑見解2026」
ウェザーニューズは2026年6月23日、2026年夏の暑さの見通しを発表した。要点は以下の通りだ。
2026年夏(7〜9月)の気温は、昨年に続き全国的に平年より高くなる見込み。
特に注意すべきは「ダブル高気圧」の発生である。
ダブル高気圧とは
太平洋高気圧とチベット高気圧は、広がる高度が異なる。この2つが同時期に日本付近へ張り出すと、上空で重なり合い、非常に背の高い1つの高気圧のような状態になる。これが「ダブル高気圧」だ。
graph TD
A[太平洋高気圧] --> D[ダブル高気圧発生]
B[チベット高気圧] --> D
D --> E[35℃以上の猛暑日が継続]
D --> F[40℃以上の酷暑日リスク]
E --> G[熱中症リスク急上昇]
F --> G
ダブル高気圧が発生すると、35℃を超える猛暑日が継続し、地域によっては40℃を超える酷暑日となるおそれがある。海風の入りにくい内陸部などでは、40℃前後の酷暑になることもある。
ピークはいつ?
暑さのピークは7月下旬〜8月上旬と予想されている。この時期に太平洋高気圧の日本付近への張り出しが最も強くなる見込みだ。
9月に入ると太平洋高気圧の張り出しは次第に弱まるものの、前半を中心に残暑が厳しい見込み。暑い期間が長くなるため、夏バテ対策も重要だ。
エルニーニョ現象でも冷夏にならない理由
2026年春に発生したとみられるエルニーニョ現象は、夏から秋にかけて継続する見通し。さらに強度の強い「スーパーエルニーニョ」に発展する可能性も示唆されている。
通常、エルニーニョ発生時の日本の夏は、統計的に西日本で気温が低く、東・北日本で平年並みか低い傾向がある。しかし、2026年はエルニーニョを加味しても冷夏にはならない見通しだ。
その理由は以下の通り:
- インド洋の影響: 夏から秋にかけて正のインド洋ダイポールモード現象が発生予想。フィリピン東海上で対流活動が活発化し、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが強まる
- 高い海面水温: 日本周辺海域の海面水温が平年より高く、特に北日本太平洋沖ではかなり高い。大気下層が冷やされにくい
- 地球温暖化: 北半球全体の対流圏の平均気温は平年より高くなることが見込まれる
日本気象協会の酷暑日予想
日本気象協会の独自予報モデルによると、2026年の酷暑日地点数は直近10年間の平均と同程度か、やや多い見込み。2025年(過去最多の延べ30地点)ほどではないものの、近年の記録的な高温に次ぐレベルの暑さになる可能性がある。
特に東日本・西日本を中心に、早い時期から厳しい暑さとなる日も予想されている。
すでに始まっている異常な暑さ
2026年7月14日、アメダスの100地点以上で最高気温35℃以上の猛暑日を観測した。猛暑日地点数が100を超えたのは今年初めて。2025年に猛暑日地点数が初めて100を超えたのは6月30日(118地点)だった。
帝国データバンクが7月17日に発表した企業アンケートでは、猛暑の日に業務面で「支障が出た」と答えた企業の割合は50.0%に達した。猛暑はすでに社会インフラに影響を与えている。
酷暑日がもたらす地域別リスク — どこが危ないのか
酷暑日を記録した22都府県
これまでに最高気温40℃以上の「酷暑日」を記録したことがあるのは、22都府県に上る。意外なことに、九州・沖縄や山陰地方ではまだ酷暑日の記録がない。
主な酷暑日記録地域と最高気温は以下の通りだ。
| 都道府県 | 記録地点 | 最高気温 |
|---|---|---|
| 群馬県 | 伊勢崎 | 41.8℃(国内観測史上最高) |
| 埼玉県 | 鳩山 | 41.4℃ |
| 静岡県 | 静岡 | 41.4℃ |
| 兵庫県 | 丹波市柏原 | 41.2℃ |
| 群馬県 | 桐生 | 41.2℃ |
| 岐阜県 | 美濃 | 41.0℃ |
| 栃木県 | 佐野 | 41.0℃ |
| 高知県 | 四万十市江川崎 | 41.0℃ |
| 山形県 | 山形 | 40.8℃ |
| 東京都 | 青梅 | 40.8℃ |
※2026年4月現在のデータ
なぜ内陸部が危ないのか — 酷暑日が生まれる3つの条件
酷暑日を記録しやすい地域には、共通する特徴がある。
条件1: 盆地地形(熱がこもりやすい)
周囲を山々に囲まれた盆地は、昼間に地表が暖められた空気が逃げ場なくこまる。放射冷却により夜間も気温が下がりにくく、熱帯夜が続く傾向がある。山形、甲府、京都などの盆地都市がその典型だ。
条件2: 都市部のヒートアイランド現象
アスファルトやコンクリートが昼間に吸収した熱を夜間に放出し、都市部の気温を周辺より高くする。東京、名古屋、大阪などの大都市では、ヒートアイランド現象により酷暑日リスクが高まる。
条件3: 海から遠い内陸部
海からの涼しい風(海風)が届きにくい内陸部は、気温が下がりにくい。前橋、熊谷、甲府などは海から離れた内陸部に位置し、酷暑日の常連となっている。
沖縄はなぜ酷暑日にならないのか
「南の方が暑い」というイメージがあるが、これは誤解だ。沖縄県那覇市の観測史上最高気温は36.0℃に過ぎない。海に囲まれた地理的条件により、海風が常に気温を抑える効果があるからだ。
しかし、沖縄は湿度が高い。気温こそ40℃に達しなくても、湿度の高さによりWBGT(暑さ指数)は危険レベルに達する。気温だけで熱中症リスクを判断してはいけない。
2025年の記録的な酷暑 — 前例なき事態
2025年は日本の暑さの歴史において異例の年となった。
- 国内観測史上最高: 41.8℃(群馬県伊勢崎市、2025年7月)
- 酷暑日地点数: 延べ30地点(過去最多)
- 40℃以上を記録した地点: 25地点(914地点中)
2018年以降、毎年40℃以上の地点が出現しているが、2025年はその規模が桁違いだった。
熱中症の真実 — なぜ「酷暑日」は命に関わるのか
熱中症とは何か
熱中症は、高温な環境下で発汗による体温調節がうまく機能しなくなり、体内に熱がこもることで発症する。放置すれば死に至る、れっきとした「熱疾患」である。
人間の体温は通常36〜37℃に維持されている。この体温を維持するために、体は汗をかいて気化熱で体温を下げる仕組みを持っている。しかし、気温が体温に近づくと、この仕組みが追いつかなくなる。
特に酷暑日(40℃以上)では、外気温が体温を超える。この時、体は汗をかくことしか体温を下げる手段がないが、湿度が高いと汗が蒸発せず、体温調節は完全に破綻する。
熱中症の進行メカニズム
graph TD
A[高温環境への曝露] --> B[発汗による体温調節]
B --> C{水分・塩分補給は十分?}
C -->|不足| D[脱水・電解質バランス崩壊]
C -->|十分| E[正常な体温調節維持]
D --> F[症状悪化]
F --> G[I度: めまい・たちくらみ]
F --> H[II度: 頭痛・吐き気・倦怠感]
F --> I[III度: 意識障害・痙攣・高体温]
I --> J[生命の危機]
重症度分類 — 3つのレベル
熱中症は重症度によって3段階に分類される。
I度(軽症)— 現場で対応可能
- 症状: めまい、たちくらみ、大量の発汗、筋肉痛
- 対応: 涼しい場所へ移動、水分・塩分補給、体を冷やす
- 特徴: 自力で対応できる初期段階。ここで気づけるかが重要
II度(中等症)— 病院搬送が必要
- 症状: 頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、集中力低下
- 対応: 病院への搬送が必要
- 特徴: 自力での水分補給が困難な場合があり、医療介入が必要
III度(重症)— 入院・集中治療
- 症状: 意識障害、痙攣、高体温(40℃超)、肝・腎機能障害
- 対応: 即座に救急車を呼ぶ、積極的に体を冷やす
- 特徴: 死亡リスクが高く、ICUでの治療が必要となる
湿度の罠 — 気温だけでは判断できない
熱中症リスクを左右する最大の要因の一つが湿度である。
人間は汗をかき、その汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げる。しかし、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節が困難になる。同じ気温なら、湿度が高いほど熱中症リスクは高くなる。
例えば:
- 気温32℃・湿度60% → WBGT約28℃(厳重警戒)
- 気温32℃・湿度80% → WBGT約31℃(危険)
気温が35℃の猛暑日に達していなくても、湿度が高ければ熱中症の危険は十分にある。「気温が高くないから大丈夫」という油断は禁物だ。
もう一つの罠 — 最低気温と「熱帯夜」
熱中症対策では、最高気温と同じくらい最低気温に注意が必要だ。
熱帯夜(最低気温25℃以上): 夜間も気温が下がらず、睡眠中の熱中症リスクが高まる。体温が十分に下がらず、翌日の疲労回復も遅れる。
超熱帯夜(最低気温30℃以上): 日本気象協会が独自に呼称を用いている状態。夜間ずっと気温が30℃を下回らない。睡眠中の発汗量が膨大になり、知らぬ間に脱水が進行する。
睡眠中の熱中症が恐ろしい理由:
- 寝ている間は水分補給ができない
- 汗として体の水分が排出され続ける
- 昼間の高温で蓄積した熱が室内に残る
- 気づかないうちに症状が悪化する
夜間の熱中症は「サイレントキラー」とも呼べる存在だ。エアコンをためらわず使用し、室温を適切に管理することが不可欠である。
WBGT(暑さ指数) — 知れば見える熱中症リスク
WBGTとは何か
WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)は、日本語で「暑さ指数」と呼ばれる指標だ。気温・湿度・風速・熱幅射(地面や建物からの熱)の4つの要素を組み合わせて算出され、熱中症のリスクを総合的に判断するために開発された。
気温だけでは分からない「体感する暑さの危険度」を数値化したものがWBGTだ。
環境省が全国約840の観測地点でリアルタイムのWBGTを公開しており、誰でも無料で確認できる。
WBGT基準値と行動目安
| WBGT値 | レベル | 行動目安 |
|---|---|---|
| 31℃以上 | 危険 | 原則として外出を控え、涼しい室内で過ごす |
| 28〜31℃ | 厳重警戒 | 激しい運動や外出を避け、こまめに休憩・水分補給 |
| 25〜28℃ | 警戒 | 運動や外出時に注意。定期的な休憩と水分補給 |
| 21〜25℃ | 注意 | 激しい運動時は水分補給に注意 |
| 21℃未満 | ほぼ安全 | 通常の生活でほぼ問題なし |
重要なのは、WBGT 28℃以上で本格的な警戒が必要になるという点だ。これは気温が28℃程度でも、湿度や熱幅射の条件次第で熱中症の危険が高まることを意味する。
熱中症警戒アラートを活用する
熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高い際に気象庁と環境省が共同で発表する警報だ。
- 熱中症警戒アラート: WBGTが33以上になることが予想される場合
- 熱中症特別警戒アラート: WBGTが31以上の状態が数日間続くと予想される場合
アラートが発表されたら、以下の行動をとる:
- 不要不急の外出を控える
- エアコンをためらわず使用する
- 部屋を適切に冷却する
- 高齢者や子どもの様子をこまめに確認する
- 屋外での運動を中止する
実践!シーン別熱中症対策 — 今日からできる5つのアクション
シーン1: 家庭での対策 — 部屋を「避難所」にする
自宅は熱中症から身を守る最重要拠点だ。しかし、室内でも熱中症は発症する。特に夜間の室内熱中症は致命的になることがある。
チェックリスト:家庭でできる熱中症対策
- ✅ エアコンをためらわず使う — 設定目安26〜28℃、湿度60%以下
- ✅ 室温と湿度をモニタリング — 温湿度計を各部屋に設置
- ✅ 遮光カーテン・すだれを設置 — 窓からの熱の侵入を70%カット
- ✅ 打ち水の活用 — 軒先に水をまくことで気温を2〜3℃下げる効果
- ✅ 扇風機とエアコンの併用 — 冷気を部屋全体に循環させる
- ✅ 就寝時もエアコンを稼働 — タイマーではなく一晩中稼働が推奨
- ✅ 窓を開けずにエアコン — 外気温が室温より高い場合は窓を閉める
よく「電気代がもったいない」とエアコンを我慢する人がいるが、酷暑日にエアコンを使わないことは命の危険を意味する。
シーン2: 屋外での対策 — 外出を安全にする工夫
酷暑日の外出は原則として控えるべきだ。しかし、どうしても外出が必要な場合は以下の対策を徹底する。
- ✅ 帽子・日傘を必ず携行 — 直射日光を80%以上カット
- ✅ 通気性の良い服装 — 麻や綿など風通しの良い素材
- ✅ 給水所を事前に確認 — 外出ルート上の水場を把握
- ✅ 涼しい場所で休憩 — コンビニ、商業施設などを活用
- ✅ 時間帯を選ぶ — 朝夕の涼しい時間帯に行動
- ✅ 首元を冷やす — ネッククーラーや保冷剤を活用
- ✅ こまめな水分補給 — 30分〜1時間ごとにコップ1杯の水
外出時の水分補給目安
| 活動強度 | 補給頻度 | 1回あたりの量 |
|---|---|---|
| 静かな活動(散歩など) | 1時間ごと | コップ1杯(約200ml) |
| 中程度の活動(観光など) | 30分ごと | コップ1杯(約200ml) |
| 激しい活動(スポーツ) | 20分ごと | コップ1杯〜1.5杯(約200〜300ml) |
※発汗量が多い場合は塩分も補給(経口補水液やスポーツドリンクを推奨)
シーン3: 職場での対策 — 労働災害を防ぐ
帝国データバンクの2026年7月17日発表によると、猛暑で業務に「支障が出た」企業は50.0%に達した。
- ✅ WBGTを毎日確認 — 作業前に環境省サイトで確認
- ✅ 作業時間の調整 — 早朝(午前5時〜)や夜間シフトの導入
- ✅ 休憩環境の整備 — 空調完備の休憩所を確保
- ✅ WBGT 31℃以上での作業制限 — 激しい作業は中止
- ✅ 水分補給の義務化 — タイマーで定期的な水分補給を促す
- ✅ 暑さへの順化期間を設ける — 最初の1〜2週間は軽作業から
- ✅ バディシステム(二人一組) — 互いの体調を確認し合う仕組み
シーン4: 子ども・高齢者の対策 — 特別な配慮が必要な人
子どもの熱中症対策
子どもは体格に対する体表面積が大きく、外気温の影響を受けやすい。また、自分で体調の異常に気づくことが難しい。
- こまめな水分補給を声掛け — 子どもは喉の渇きを自覚しにくい
- 服装の調整 — 通気性の良い素材、色は薄めを
- 遊び場所の選択 — 日陰や水遊びで体温を下げる
- 休憩の強制 — 楽しくても30分ごとに休憩
高齢者の熱中症対策
高齢者は体温調節機能が低下している上、喉の渇きを感じにくくなる。
- エアコンの使用を促す — 「もったいない」と我慢しがち
- 水分補給の習慣化 — 1日1.2リットル(食事以外)を目安
- 室温のモニタリング — 温湿度計を目につく場所に設置
- 見守りネットワーク — 家族や近隣の方による定期確認
シーン5: スポーツ・アウトドア — 楽しく安全に
- WBGT 28℃以上: 激しい運動を避ける
- WBGT 31℃以上: 運動原則中止
- 30分ごとの休憩 — 日陰での休憩と水分補給
- 順化期間の確保 — 夏の始まりは軽い運動から徐々に強度を上げる
- 尿の色チェック — 濃い黄色なら脱水のサイン
- 朝の練習を活用 — 気温が低い午前5時〜8時を推奨
よくある質問(FAQ)
Q1: 酷暑日と猛暑日は何が違う?
A: 最高気温の基準が違います。猛暑日は最高気温35℃以上の日、酷暑日は最高気温40℃以上の日です。気温で5℃の差がありますが、熱中症リスクの観点では「厳重警戒」と「命の危険」ほどの違いがあります。2026年4月に気象庁が正式に酷暑日を予報用語に追加しました。
Q2: エアコンの設定温度は何度が適切?
A: 一般的に26〜28℃が推奨されています。ただし、設定温度よりも「室温と湿度」が重要です。温湿度計を部屋に置き、室温28℃以下・湿度60%以下を目安にエアコンを操作してください。就寝時は一晩中稼働が基本です。
Q3: 熱中症になったらどうすればいい?
A: 以下の手順で応急処置を行います:
- 涼しい場所へ移動 — 日陰やエアコンの効いた室内へ
- 衣服を緩める — 体から熱を逃がす
- 体を冷やす — 首元、脇の下、太ももの付け根を冷や水や保冷剤で冷やす
- 水分・塩分補給 — 経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ
- 意識がない・嘔吐がある場合 — 無理に水分を飲ませず、即座に119番通報
重要: 意識障害や痙攣がある場合は、迷わず救急車を呼んでください。
Q4: WBGTはどこで確認できる?
A: 環境省の熱中症予防情報サイト(https://www.wbgt.env.go.jp/)で全国約840地点のリアルタイムWBGTを確認できます。また、多くの気象アプリでもWBGTを表示しています。
Q5: 子どもの熱中症で特に注意することは?
A: 子どもは体温調節機能が未熟で、喉の渇きを自覚しにくいのが特徴です。30分ごとに水分補給を声掛けし、日陰での休憩を挟みましょう。尿の色が濃い場合は脱水のサインです。
Q6: 夜間の熱中症を防ぐには?
A: 夜間の熱中症は「サイレントキラー」と呼ばれるほど危険です。就寝時もエアコンを一晩中稼働(28℃前後・除湿モード可)、就寝前にコップ1杯の水を飲む、寝室に温湿度計を設置する、ことを徹底してください。
Q7: 2026年の夏は昨年より暑くなる?
A: 気象庁の予想では、2026年夏(6〜8月)の気温は全国的に平年より高い確率が50%以上です。ウェザーニューズは7月下旬〜8月上旬にダブル高気圧が発生し、酷暑日が現れる可能性を指摘しています。
まとめ — 備えあれば憂いなし
2026年、私たちの暑さの常識は変わった。「酷暑日」という新しい言葉が示す通り、かつての「猛暑日」の枠を超える暑さが日常になりつつある。
この記事でお伝えした重要なポイント:
- 「酷暑日」は最高気温40℃以上の日の新名称 — 2026年4月に気象庁が正式採用。人間の体温を超える危険な暑さを示す。
- 2026年夏は記録的な暑さが予想される — ダブル高気圧の影響で7月下旬〜8月上旬にピーク。エルニーニョでも冷夏にならない。
- 内陸部・盆地・都市部が特に危険 — 海風の届かない地域ほど酷暑日リスクが高い。関東・東海・近畿の内陸部は要警戒。
- WBGT(暑さ指数)を日常的にチェック — 気温だけでなく湿度・風速・熱幅射を総合した指標。環境省サイトで無料確認可能。
- シーン別の熱中症対策を実行 — 家庭・屋外・職場・子ども・高齢者、それぞれに応じた対策がある。
今日から始める3つのアクション
アクション1: 温湿度計を買う 各部屋に温湿度計を設置しよう。室温28℃以下・湿度60%以下を目安に行動する。
アクション2: WBGT確認を日課にする 天気予報と同じように、毎朝WBGTを確認する習慣をつける。環境省サイト(wbgt.env.go.jp)をブックマークに登録しよう。
アクション3: 家族で熱中症ルールを決める 「エアコンは遠慮なく使う」「こまめに水分補給する」「熱中症警戒アラートが出たら外出を控える」——家族全員で共有すべきルールを決めよう。
2025年、群馬県伊勢崎市で記録した41.8℃は、もはや「異常気象」ではなく「新常態」の兆候かもしれない。しかし、正しい知識と準備があれば、熱中症は防げる。「酷暑日」という言葉を見聞きしたら、それは「行動を変える」ための合図だ。
この夏、あなたとあなたの大切な人が安全に過ごせることを願っている。
参考文献
- 気象庁「最高気温が40℃以上の日の名称を『酷暑日』に決定」
- 日経新聞「気温40度以上は『酷暑日』気象庁が新名称」
- tenki.jp「気象庁、40℃以上の日の名称を『酷暑日』に決定」
- ウェザーニューズ「猛暑見解2026」
- 読売新聞「酷暑日とは?猛暑日との違い」
- 環境省熱中症予防情報サイト
- 厚生労働省熱中症予防情報
- 日本気象協会「熱中症ゼロへ」
- tenki.jp「猛暑日が今年初めて100地点超え」