半導体

A collection of 29 posts
ビジネス・経済

韓国総合株価指数(KOSPI)急変時に見るべき指標と、日本の投資・企業活動への影響

はじめに 韓国総合株価指数(KOSPI)は、韓国の株式市場全体の動向を把握する代表的な株価指数です。急変局面では、指数の上げ下げだけでなく、出来高、外国人投資家の売買、為替、先物・オプション、海外市場を組み合わせて確認する必要があります。本記事では、KOSPIの基本と変動要因、急変時に見るべき指標、日本の投資家や企業への波及経路を解説します。 KOSPIとは?特徴と代表的な銘柄 KOSPIとは、韓国取引所に上場する主要銘柄の動きを集約した総合株価指数です。時価総額加重方式で算出されるため、時価総額の大きい企業の値動きが指数に反映されやすい特徴があります。韓国経済の景況感や投資家心理を測る基準として、国内外の投資家に利用されています。 代表的な銘柄・セクターには、Samsung ElectronicsやSK hynixなどの半導体企業、LG Chem、Hyundai Motor、POSCOなどがあります。半導体、自動車、化学、鉄鋼といった輸出関連産業の比重が大きく、世界景気、商品市況、サプライチェーンの変化に反応しやすい指標です。構成銘柄や寄与度は変化するため、分析時は最新情報
8 min read
科学・研究

有機半導体の移動度に4倍差、鍵は「分子運動」:東京科学大らが解明した界面物理とフレキシブルデバイスの未来

東京科学大学や東大らの研究グループが、有機半導体の性能を左右する決定的要因が「界面の分子運動」であることを実証しました。酷似した結晶構造を持つ分子でも電荷移動度に4倍以上の開きが出るメカニズムを解明し、フレキシブルデバイスや次世代印刷エレクトロニクスの新設計指針を切り拓きます。
17 min read
RISC-V

RISC-Vとは何か? オープンISAがx86/ARMの壁を壊す仕組みから、ベクトル拡張・開発ボードでの実践入門まで

はじめに——x86とARMの二択だった世界に、「3つ目の常識」が生まれた RISC-V(リスク・ファイブ)とは、CPUの動作を定める「命令セットアーキテクチャ(ISA)」の仕様を、誰でもロイヤリティフリーで利用できるオープン標準として公開した、x86・ARMに続く「第3のCPUアーキテクチャ」です。 「CPUといえば、PCはIntel/AMDのx86、スマホや組み込みはARM。でも最近、RISC-Vという言葉をよく見かける。いったい何が違って、何が変わるのか?」——そう感じたエンジニアは少なくないはずです。この問いへの答えは、すでに「いつか来る未来」ではなく「出荷数で測れる現実」になりつつあります。市場調査会社Omdiaの予測では、RISC-Vチップの市場は2030年までに920億ドル規模に達すると見込まれています(2025年2月・RISC-V International発表)。すでに2023年時点で累積コア出荷は100億個を超えたと公表されており(出典: RISC-V International: https://riscv.org/about/)、RISC-Vはウエスタンデジタ
33 min read
スマートフォン

スマホCPUがついに5GHz到達:Qualcomm「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」が示す2nm時代とデュアルフラッグシップの真実

Qualcommが発表した「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」と「Gen 6」。モバイルCPU初となる5.0GHz駆動を実現した第3世代Oryon CPUの技術詳細、TSMC 2nm採用の恩恵、熱の壁を打破する新設計「Offset PoP」、そして異例のデュアル最上位戦略の全貌を解説します。
16 min read
AI・テクノロジー

FPGAはなぜ今また注目されるのか——AIアクセラレータ時代のリコンフィギュラブル論理入門

1. はじめに——「書き換えられるチップ」が静かに返り咲く理由 半導体の世界では、チップの回路は工場を出た瞬間に固定されるのが当たり前です。CPUもGPUも、その内部でどんな演算ユニットがどう配置されているかは製造時点で決まっており、私たちが後から変更できるのは「その上で動くソフトウェア」だけです。 ところが1985年、Xilinx(ザイリンクス、現在はAMD傘下)があるチップを発売しました。XC2064——世界で初めて商業的に成功したFPGA(Field-Programmable Gate Array、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)です。このチップが持っていたのは、工場を出た後でも「中のデジタル回路そのもの」を何度でも書き換えられるという、当時の常識を覆す性質でした。といっても初期の規模は小さく、論理ブロック(CLB)がわずか64個。それが40年余りで数千万ゲート級へと成長したとされ、いまやAIアクセラレータの有力候補として再び脚光を浴びています。 その兆しは、すでにあちこちで報じられています。Microsoftは2014年からBing検索のランキング処理をFPG
25 min read
AI・テクノロジー

Armが描くエージェント型AI時代の全貌:モバイル・クラウド・ロボティクスを貫く3大新基盤と半導体エコシステムの地殻変動

Armが2026年9月8日に発表した「CSS for Mobile 2」「Neoverse CSS N4」「Total Design for Physical AI」の3大技術基盤を徹底解説。自律型エージェントAIが要求する過酷な推論負荷と物理世界のリアルタイム制御に、Armがどのように挑むのか。半導体産業の未来を解き明かします。
13 min read
AI・テクノロジー

OpenAI初の推論専用チップ「Jalapeño」実測公開——700W ASICが突き崩すNVIDIA Blackwellの推論独占とAIフルスタック経済学

OpenAIがBroadcomと共同開発した初の推論カスタムASIC「Jalapeño」の実測ベンチマークを公開。SemiAnalysisのInferenceXテストでNVIDIA GB300に対しワットあたり最大1.9倍のスループットと3.6倍の低遅延を達成。推論コスト爆発に直面するフロンティアAIが自社シリコンで拓く「フルスタック推論経済学」を徹底解説します。
10 min read
AI・テクノロジー

Xiaomiが放つ3nm独自SoC「玄戒O3(XRING O3)」の衝撃:高効率コア全廃の10コア設計とLPDDR6でAnTuTu 522万点を叩き出した半導体戦略

Xiaomiが2026年8月24日に発表した第2世代フラッグシップSoC「玄戒O3(XRING O3)」は、高効率コアを完全撤廃した10コア構成と世界初のLPDDR6採用により、AnTuTu 522万点を突破。そのアーキテクチャの全貌と半導体自社化の真意を徹底解説します。
10 min read
AI・テクノロジー

HBM4量産元年2026:AIメモリの覇権を巡るSKハイニックス・サムスン・マイクロンの決戦と、ベースダイのロジック統合が変える半導体アーキテクチャ

本記事の記載基準について(2026年8月19日時点): 本記事のうち、規格仕様はJEDEC策定のHBM4規格(JESD270-4)に基づく情報、量産時期・シェア・各社戦略は2026年時点の業界報道ベースの情報、市場規模は調査会社の予測値です。実績・報道・予測はそれぞれ本文中で区別して記載しています。数値の多くは各社の公式確定値ではなく報道・推計である点にご留意ください。 はじめに——AIのボトルネックは「計算」ではなく「メモリ」にある 生成AIブームから数年、NVIDIAのGPUは毎世代劇的な性能向上を遂げてきました。しかし、どれほどGPUの演算能力が高くても、そこにデータを供給するメモリの帯域が追いつかなければ、性能を引き出すことはできません。GPUが「待ち時間」を増やし、せっかくの計算リソースが遊んでしまう——これがAIインフラの現場で語られ続けてきた「メモリウォール」の問題です。 大規模言語モデルの推論では、パラメータとKVキャッシュを何度も読み出す必要があるため、メモリ帯域がそのまま応答速度とスループットを左右します。演算能力だけでなく「どれだけ速くデータを運べるか」が
17 min read
AI・テクノロジー

米国が同盟国に迫る「AI陣営の選別」——Pax Silica構想と中国主導WAICOが引き起こす技術分断の深層

2026年8月、米国務省が同盟・友好国に対し、米主導の「Pax Silica」と中国主導の「WAICO(世界AI協力機構)」の二股参加を認めない方針を固めた。ハードウェアからモデル、標準化まで二極化するAI世界秩序の全貌と日本の針路を読み解く。
12 min read
AI・テクノロジー

SpaceXとTeslaの168億ドル「Terafab」構想:自由電子レーザー(FEL)露光技術が拓く自律型半導体生産とAI・ロボティクスの未来

リード 2026年8月6日、テクノロジー業界および半導体産業に激震が走りました。イーロン・マスク氏率いるSpaceXとTeslaが、テキサス州グライムズ郡(Grimes County)において、第1フェーズの初期投資額だけで168億ドル(約2.7兆円)にのぼる超巨大垂直統合型半導体工場「Terafab(テラファブ)」の建設を正式発表したためです。 このTerafabは、単一の工場施設として世界最大級となる1億平方フィート(約929万平方メートル)という壮大なスケールを誇り、年間1テラワット(1,000,000,000,000 W)のAI演算能力を支えるチップの自律生産を目指しています。主な供給先は、Teslaの第2・第3世代人型ロボット「Optimus」、完全自動運転車両「Cybercab/Robotaxi」、そしてSpaceXが宇宙空間に展開する次世代Starlink宇宙データセンター用プロセッサです。 しかし、業界関係者が最も驚愕したのはその投資規模や工場サイズだけではありません。これまでオランダのASML社が100%市場を独占してきた極端紫外線(EUV)露光装置の光源技術「
9 min read
ビジネス・経済

ソニーとTSMCが熊本に次世代イメージセンサー合弁——7,470億円が問う勝算

ソニーセミコンダクタソリューションズとTSMCが2026年8月11日、熊本県合志市を拠点とする次世代イメージセンサーの合弁会社設立で確定契約を締結した。両社の出資は合計約7,470億円、量産開始は2029年。なぜ世界首位のソニーが台湾のファウンドリと組むのか、なぜ熊本なのかを整理する。
10 min read
スマートフォン

国内メーカーのスマホ出荷がほぼ半減——JEITA統計が映すメモリ危機の深層

JEITAとCIAJが2026年8月10日に公表した6月の携帯電話国内出荷実績で、国内メーカーのスマートフォン出荷が20万8000台、前年同月比49.7%とほぼ半減した。AIデータセンターがメモリを吸い上げる構造的な供給危機が、ついに日本の店頭にまで届いた形だ。統計の読み方から世界市場の動向、中古市場へのシフトまでを整理する。
10 min read
科学・研究

ポリシリコンに15%関税と最低輸入価格——米国が突いた半導体と太陽光の共通急所

米国が2026年8月6日、ポリシリコンと派生製品に15%の追加関税と最低輸入価格を課す布告に署名した。発効は12月4日。半導体ウエハーと太陽光パネルという二つの産業が同じ原料でつながっていることを、通商政策が改めて可視化した。制度の中身と日本への波及経路を整理する。
10 min read
AI・テクノロジー

RISC-Vが切り拓くエッジAIの新世代:オープンシリコンがARM・x86に挑む2026年の現在地

RISC-V(リスクファイブ)とは、ライセンス料無料・カスタマイズ完全自由のオープンなプロセッサ命令セットアーキテクチャ(ISA)である。2010年にカリフォルニア大学バークリー校で開発され、現在はRISC-V Internationalが標準化を主管する。エッジAI領域では、V拡張(ベクトル命令)とカスタム命令拡張により、ARM固定ISAでは不可能なドメイン特化型の最適化が可能である。 はじめに — なぜ2026年にRISC-Vが注目されるのか 半導体業界の歴史的分岐点 2026年、半導体業界は40年ぶりの地殻変動の只中にある。これまでプロセッサの世界はx86(Intel/AMD)とARM(Arm Ltd.)の二強体制——デュオポールが支配してきた。PC・サーバーはx86、モバイル・組み込みはARM。この棲み分けは「不変の秩序」のように見えた。 しかし、3つの要因がこの構造を内側から崩し始めている。 ① AIチップ需要の爆発 — エッジデバイスでAI推論をこなす専用プロセッサの需要が急増している。汎用ISAでは最適化の限界に達しつつある。 ② IoTデバイスの指数関数
17 min read
AI・テクノロジー

AnthropicがClaude向け自社AIチップ設計チームを新設:NVIDIA依存脱却とAI推論コスト半減がもたらすAI半導体戦争の地殻変動

AnthropicがClaude向けカスタムAIチップ(ASIC)の社内設計チーム立ち上げを公式確認。ソフトウェアとハードウェアの「協調設計(Co-Design)」によりトークンあたり推論コスト約50%削減を目指す、AIインフラの垂直統合と半導体戦争の最前線を徹底解説。
6 min read
AI・テクノロジー

RISC-Vが切り拓く半導体の新時代:オープンアーキテクチャが変えるAI・自動車・地政学の地図

はじめに — 「第3のアーキテクチャ」がついに主流になる瞬間 1981年、x86アーキテクチャがIBM PCと共に世界を制した。それから40年以上、サーバーはx86、モバイルはARM——このデュオポール(二大国支配)構造は、半導体業界における「不文律」のように続いてきた。 しかし2026年、その地図が書き換わろうとしている。 今年ボローニャで開催されたRISC-V Summit Europe 2026。基調講演に立ったRISC-V InternationalのAndrea Gallo CEOは、短く、しかし力強く宣言した。 「RISC-V is now.」 「RISC-Vの将来」ではない。「いま、ここにある」という宣言だ。実験室を飛び出し、データセンター、自動運転車、AIアクセラレータ、さらには宇宙産業まで——RISC-Vは現実のプロダクトに搭載され始めている。 読者が知るべき3つの問い 本記事は、以下の3つの問いに答えることを目指す。 1. なぜ今なのか? —— なぜ2026年というタイミングでRISC-Vが急加速しているのか 2. 何が違うのか? —— x86
22 min read
AI・テクノロジー

「メモリは100年に一度の大洪水」——Apple決算が映すDRAM高騰と供給制約

Appleが2026年7月30日に発表したFY2026 Q3決算は売上高1,094億ドルと過去最高を記録した一方、ティム・クックCEOはメモリ価格の上昇を「100年に一度の大洪水」と表現し、9月期の供給制約悪化を警告した。AIデータセンターがDRAMを買い占める構造が、iPhoneやPCの価格として一般消費者に届くまでを整理する。
10 min read