2026年8月30日、西アフリカの小国ギニアビサウで、国の行方を左右する憲法改正国民投票が実施されました。問われたのは、現行の半大統領制を廃止し、大統領権限を大幅に強化する新憲法の是非です。
日本では報道の機会も少ない国ですが、人口は約208万人、一人当たりGDPは約1,130米ドル(2025年推計)という世界最貧国層に属し、国連開発計画(UNDP)の人間開発指数(HDI)では世界174位(2023年)。首都ビサウの日常風景といえば、食料価格の高騰、頻繁な停電、若者の失業——憲法論議よりも切実な暮らしの心配が先に立つ国です。
それでもなお、この国の人々の関心が今、憲法に向いているのは理由があります。ギニアビサウは1974年の独立以来、クーデターが繰り返される政治史を歩んできました。1980年以降だけで成功したクーデターは5回。選出された大統領のうち、2期を中断なく完遂した人はいません(1期を完遂したのはジョゼ・マリオ・ヴァス元大統領のみとされます)。2025年11月26日には、大統領選の開票中に軍が権力を掌握するという前代未聞の事態まで発生しました。
その軍事政権が主導する形で実